2009年6月30日
早朝より北部九州に大雨警報が出される。
筑後地方最東部矢部村でも29日の降り始めから7月1日までの総雨量が500ミリを超えた。
  
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9月30日 AM 茶畑巡回
↑茶畑の作業道が川の様に 雨水避けの水路が土砂で埋まりそう・・。
 放っておけばやがて雨水が茶畑に流れ込み、畑の土を削り、流して出してしまう。道路のコンクリートの脇を削り、やがてはコンクリートの下にまで水が流れ込むとコンクリート道の下に空洞ができるはじめる。そうなると、人の力では土砂災害は食い止められない。

 大雨の時には、茶畑や棚田を巡回して、水の流れを変たりしながら、土砂災害をなんとか未然に食い止めるための作業を行う。 人間にできる精一杯の努力。しかし、激しい雨は容赦なく降り続ける。
9月30日 AM10:22 ・・・絶句
作業道が土砂で塞がっている。 土砂の中に茶の木が埋もれている。
次の畑に移動する。いつものように作業道を進むとすぐに異変に気づく。土砂が作業道を塞ぎ、そこから先には一歩も前に進めない。
雑草を倒しながら、道なきところを進み畑に向かう。被害の状況を早く確認したい。できれば、被害を最小限に食い止めたい。
身の丈ほどの雑草をかき分け現場にたどり着く
呆然と立ち尽くす。 ・・・・・。
言葉が出ない。何十年もの間手を入れ可愛がってきた畑。無残な仕打ちにただ立ち尽くす。少しづつ畑の改良を行い、ようやくある程度の省力化もすすんできた矢先の災害だ。
被害、甚大。
茶畑が土砂で2分されてしまった。 土砂の向こうは全く見えない。
上の段の茶畑が崩落し、その土砂は、下の段の茶畑を2分し、その下を通る作業道を塞いでしまった。
直径約1メートルほどの茶の木が大量の土砂と一緒に流れ落ちた。

費用も時間も手間も相当な被害である。

それでも、来年の春までには茶畑を修復し、新しく茶の苗木を植える。また元の様な茶畑になるまでに4〜5年が必要となる。
崩れ落ちた茶畑と受け皿になった茶畑。
山間地の農地では、梅雨時期になると空梅雨ではない限り、規模の大小はあるにせよ、毎年のようにこのような災害が起こる。棚田にしても野菜畑ににしても、茶畑、林野地、宅地にしても油断はできない。


それにしても今年の災害はあまりにも甚大である。農業を始めて以来最大の規模の災害である。

そんな山間地でも、これまでこの地に留まってきた。そして、これからもまだこの地で頑張り続けたいと思う。

「国」がこの地を見捨てず、ここに住むことができる間は、壊れた茶畑を修復してでも、この山でしかできない香り高いお茶をおいしい農産物を、喜んでくれる人がいる限り、作り続けたいと思う。




農業は植物と自然相手の仕事。少しでも安全なもの、美味しいものをと、一年賭けてまた、何十年も賭けて育ててきたものが、一晩いや数時間の内に崩れ去ったいくことだってある。
 日本は広いもので、全国には多くの仲間が今日もそんな自然と向き合いながら、良いものお届けするために頑張っている。
北海道で、メロン、米、玉ねぎを栽培されている「島貫農園」さんの災害情報は、こちらから。


平成6年、20年、21年農林水産大臣賞 受賞茶園                     ■
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 原島政司
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