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山の大家族 11月   読売新聞(夕刊)連載8回目 2004/11/19


秋祭り 宙舞う気分

 カエデ、イチョウ、ハゼなどの広葉樹の葉が色づき、山々が鮮やかさを増す十一月半ば。村民総参加の「矢部まつり」が盛大に開催されました。

 呼び物のひとつが「空中遊覧」。雲ひとつ無い青空に大型クレーンで吊り下げられたゴンドラ。見上げただけで足がすくみそうな地上三十メートルで三百六十度回転すると、歓声が谷間にこだまします。

 昔は秋の収穫祭として、村民が楽しむ祭りでしたが、最近はイベントも増え、村内外から五千人ほどが訪れ、いつもは静かな村も、にわかに活気付きます。

 自慢の農産物の展示販売のほか、ヤマメの釣り堀や丸太切り大会、木工教室。おばあちゃんたちがふるまう、だご汁、手打ちそば、ヨモギまんじゅうなども祭りの楽しみのひとつです。

 村の子供たちも積極的に参加。我が家でも中学生の二女と長男は、「八女」の地名の起こりとなった八女津媛神社の「浮立」の奉納や、和太鼓(飯干太鼓)の披露など、祭りの一端を担っており、私も青年のころ、寸劇に参加した事を懐かしく思いだしました。

 村民一人ひとりが、少しずつ何かの役割を持ち、続けられてきた「矢部まつり」。今年は見ているだけだった三女も、来年は何かのお手伝いが出来るようになっているかもしれません。
                            (政)

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